Nov 24, 2007
SAW4 ソウ4
誰が新たなゲームを仕掛けているのかはもちろん、本作を観終えたときに観客たちはキャッチコピーのほんとうの意味を理解するわけですが、上映後の劇場ではストーリーがよく分からなかったという声が少なからず聞こえてきて。
それは、シリーズをすべて観ている人をどのように楽しませるか、どうやって驚かせるかを殊更に意識してしまった、作り手の傲慢さに拠るものなのかもしれません。
大体、リッグやSWAT隊がドタバタと駆け回り、次から次へとゲームをただ見せているだけでは恐怖感や緊迫感が盛り上がらないというもの。
さらには拘束されたエリックとホフマン、そしてジルが語るジョン・クレイマーを描くからとは言っても、登場人物の複雑さが相まって、ストーリー展開がどうにも冗長に思えてしまいました。
あるいは、最前列はいいけど、アマンダほどのインパクトはない後継者がまた賛否両論の種。
その背景にあるものは次作で明らかにされるとは思うのですが、ともあれそうしてこの作品自体の絶対性をなおざりにしてしまっていいのでしょうか?
「ゲームは始まったばかりだ」
パラレルな時間軸を巧妙に利用したシリーズならではのトリックは健在ながら、映像も音楽も凡庸、アマンダのゲームではないから・・・というのは冗談だけど、ゴアが控えめなのもインパクトを欠くところ。
また、これは日本公開版に限った話なのかもしれませんが、フィルムの編集がおかしいところがあって、シーンの繋ぎがブチッとなることしばしばだったのが不快、といった余談はさておくとしても。
シリーズはパズルのピースなんだとうそぶくスタッフは、奇蹟とさえ称えられよう第一作の呪縛から逃れられず、ジグソウの罠に嵌ってしまっているような気がするのです。
ソウ4 SAW4
2007年 アメリカ
配給 アスミック・エース
製作総指揮 ダニエル・ジェイソン・ヘフナー ジェームズ・ワン リー・ワネル 他
監督 ダーレン・リン・バウズマン
出演 トビン・ベル スコット・パターソン ベッツィ・ラッセル コスタス・マンディラー リリク・ベント
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