Jul 27, 2005
サスペリアPART2 紅い深淵 (DARIO ARGENTO : IL MIO CINEMA)
日本での劇場公開時は、その邦題のみならずキャッチコピーでも「あれから1年、待望の第2作ついに完成!」などと謳う始末。
再DVD化にあたり「紅い深淵」というサブタイトルが付与されたのはダリオ・アルジェントへのリスペクト、あるいはオマージュということで、関係者の心意気やよし、と感心したファンは多かったことと思います。
個人的には若干違和感はあるのですが、それはともかく。
この作品はホラーというよりはやはり「精神錯乱的なサスペンス」。
共同脚本のベルナルディーノ・ザッポーニが「連続的な不安、それがスリラーの本質だよ」と語る通り、子供がトカゲを殺したり犬が噛み付き合っていたり、はたまた人形が吊されていたりカタカタ歩いてきたり、といった不安感を与える要素、イメージを積み重ねながら物語は展開していきます。
そして、ゴブリンのサントラや子供の歌声の不気味さが相まって「サスペリア」とはまた違った恐怖が供されているわけですが、アルジェント曰く「これは悪夢を描いた映画なんだ」、ホラーであろうがスリラーであろうが紛れもない傑作であることには間違いはありません。
結末がちょっと淡白では・・・と思わないでもないですが、どんでん返しの勢いでラストシーンまで突っ走る「シャドー」あたりを別にすれば、「フェノミナ」なんかにしてもそうインパクトがあるわけでもないですしね。
ところでDVD-BOXの特典DISCのドキュメンタリー「DARIO ARGENTO : IL MIO CINEMA Part I & Part II」は、コアなアルジェントファンであれば歓喜の涙を流しかねない逸品と言えるでしょう。
アルジェントの映画論が存分に堪能できるし、クレーンを使用した撮影や特殊効果についてのこだわりを知ることができる上、「フェノミナ」のあのプールにつかりながらジェニファー・コネリーが笑っている撮影風景にはハァハァできたりもする内容で、「ゾンビ」の話題が一応はあるところもロメロ信者としては「うむ、よかろう」といった感じですし。
ただ、一番凄いと思ったのはアルジェントがローマに開いたホラーショップ「プロフォンド・ロッソ」。
店内にはホラー関係のグッズや書籍が溢れかえり、さらにその地下には「ダリオ・アルジェント ホラー博物館」。「フェノミナ」の(ネタバレにつき背景色テキスト→)例の子供の人形や、アルジェント選りすぐりの特殊効果が陳列されているというファン垂涎の地。
噂には聞いていたけどこれがそうか・・・と、今すぐにでも巡礼に赴きたくなるような映像は、この特典DISCの功罪と言えるかもしれません。
サスペリアPART2 紅い深淵 PROFONDO ROSSO
1975年 イタリア
配給 東宝東和
製作 クラウディオ・アルジェント サルバトーレ・アルジェント
監督 ダリオ・アルジェント
出演 デヴィッド・ヘミングス ダリア・ニコロディ ガブリエレ・ラヴィア マーシャ・メリル エロス・パーニ グラウコ・マウリ クララ・カラマイ ニコレッタ・エルミ
サスペリアPART2 紅い深淵 (DARIO ARGENTO : IL MIO CINEMA) :
» ダリオ・アルジェント『サスペリア PART2』(75) (二筋縄。)
先日買ったサスペリア アルティメット・コレクション DVD-BOXの『サスペリ 続きを読む
受信: Jul 31, 2005, 12:37:24 AM