Jul 5, 2005
マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ
黄薔薇の話を読んで「ショ○で来たか・・・」とか思ってしまったのはともかく、菜々が思い切り前面に出てくる話であれば面白く読めるのは当然。
その性格付けがちょっとあざとい気はしますが、黄薔薇ファミリーの人気向上は彼女にかかっているな・・・などと期待できる内容ではありました。
白薔薇の話は、もしベタなタイトルにするとしたら「志摩子さんの憂鬱」といったような内容。シスターになるかはどうかは分からない・・・と、志摩子が変わりゆく心情を吐露するあたりも読ませるところですが、志摩子が乃梨子に「素敵な方だったでしょう」と聖の印象を尋ねる台詞がまたいいなあ、と。
そしてとにかく秀逸なのが、心配して祐巳がかけた言葉に、(ネタバレにつき背景色テキスト→)周囲が「壊れた」と思うほどに志摩子が笑い続けるラストシーン。こういうハッピーエンドの描き方が好みである上、それが志摩子であることのギャップがまた面白いところ、で。
そして紅薔薇は、遊園地でデートする約束を祥子が果たそうとすることが寂しく思える祐巳、といった話。
ただ祥子に憧れ、慕うだけではいられない祐巳の立ち位置をいま一度明確にしたものと言えるのですが、「同志」のくだり他、とりあえず柏木が格好よすぎ。また、実際には登場しない瞳子の気持ちを、柏木の短い台詞で表現する憎い小技も施されています。
ということで、新刊が出ても短編集とみるや萎えたり、まずカバーの折り返しを読んで「まだ妹は決まらないわけですかそうですか」などとやったりしていることが、甚だ無粋に思える出来映え。三編各々由乃・志摩子・祐巳がメインということで、なんとなく落ち着いて読めたから、というのはあったでしょうけどね。
そしていちばん気に入ったのはいちばん短い白薔薇の話。
読み終えてその出来に嘆息、紅薔薇の話にとりかかる前の箸休めにと、そこで思わず志摩子さんが主役のハァハァな同人誌を読んでしまったほどでした。
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