May 19, 2005
サンゲリア
昨年7月にMedia Blastersから発売された25周年記念版の国内盤DVDがリリース。旧盤はマスターのゴミやキズもさることながらレターボックス収録だったので、リマスターかつスクイーズの高画質で眼球串刺しや飛び散る肉片が拝めたことに満足したファンは多かったことでしょう。
パッケージがショボかろうと、「2枚組」のシールがジャケットに直に貼られていようとも、発売元を考えれば問題点がそのくらいなら上出来ですしね。
特典映像については、関係者インタビューで脚本家のダンダーノ・サケッティが滔々と能書きを語ったり、製作のファブリッツィオ・デ・アンジェリスが「ロメロ作品とはテーマが違う上、もっと内容の濃いものになっています!」と必死だったりしてなかなか趣がありますが、あとはまあそれほど・・・といったところ。
ラジオCMが収録されているというのにはへぇと思いましたが、連呼される「ZOMBIE」(米公開時のタイトル)を字幕でいちいち「サンゲリア」にしているのがなんだかなあ、とか思ったり。
ゾンビ映画史上に残る傑作と言われている作品であれば内容の仔細に触れるのは詮ない話。
ただ、フルチ独特の文法が趣味に合わなかったり、「ドーン・オブ・ザ・デッド」や「バイオハザード」といった今どきのホラーに慣れてしまっている場合には、なんだこのかったるさはと閉口するのはやむをえないところかな、と。
海中にゾンビがいたり、数百年前の死体が蘇ったりというツッコミどころも、ゾンビ映画大事典が言うところの「イメージの洪水こそフルチの真骨頂」なのでしょうが、悪く言えば「思いつきの垂れ流し」。
そうした意味で、この監督の最高傑作はやはり「ビヨンド」だよなあ・・・と思っている自分がロメロ信者であるからかもしれませんが、久々に鑑賞した名作は若干色褪せたものではありました。
サンゲリア ZOMBI 2
1980年 イタリア
配給 東宝東和
製作 ウーゴ・トゥッチ ファブリッツィオ・デ・アンジェリス
監督 ルチオ・フルチ
出演 イアン・マッカロック ティサ・ファロー リチャード・ジョンソン オルガ・カルラトス