Apr 3, 2005
犬威赤彦「こみっくパーティー」
詠美シナリオのテンションがどれだけ描かれているか。
帯で「大庭詠美編収録」を謳ったのであれば、それがこの最終巻のポイントだったわけですが、はたして出色の出来映え。
他のキャラクターのエピソードはオリジナルにあまり準じていないのに、このシナリオは台詞やシーンをそのままに描いた一方、和樹との対決の決着や物語の結末についてはゲームより上手い描き方だったような気さえするし、作画もコマ割りも構成も、作者の力の入れようが違っていたように思えました。
また、和樹がプロになるかどうかに関わるこのエピソードから瑞希シナリオでの最終回に至る流れも、考えてみればもっともだけど無理のない上手い展開になっているなあ、と。
連載がスタートしてしばらく、いくら絵が上手くてもこれはまずいだろう、同人誌ならともかく商業で読ませるには「マンガ」としての体をなしてないよ・・・と思っていたこの作品。
友人曰く、「ゲームを知っている人が読むだけだし、デキは多少しょっぱくてもいいんじゃない?」。
まあそうかもしれないけど、由宇と和樹が出会ったときのエピソードの方が正しいんじゃないかなあ・・・と思ったのはもう5年も前のこと。
そしてこの手のマンガとしては長寿連載となった後半、殊にこの最終巻はまさに元ネタを知らない人でも楽しめるのではないかというクオリティだったと思います。
そのOHPを見る限り ピ ー な予感はしますが、もうすぐ二度目のTVアニメ化「Revolution」がスタート、そしてコミック版の最終巻がこの出来であれば、24日のレヴォファイナルではMIX-ISMのスペースには普段以上の参加者が押しかけそうな予感。ただでさえ同じA23ホールにはリアルちゃん様がいるわけで、混雑に輪がかかりそうだなあと思いました。
こみっくパーティー (5)
電撃コミックス (メディアワークス)
犬威 赤彦 (著)
■関連サイト
月刊コミック電撃大王(メディアワークス) http://www.mediaworks.co.jp/special/daioh/index.php