Mar 2, 2005
アドリブ店長 (4)
かわぐちかいじや片山まさゆき、福本伸行などの大家の諸作品をはじめ、伊藤誠「兎」や天獅子悦也「むこうぶち」といったヒット作等々、麻雀マンガには歴史と実績があるわけですが、パチンコ・パチスロのマンガ雑誌というのは、所詮コンビニで立ち読みしたり、暇つぶしになんとなく買ってみたりする程度の存在だったのはきわめて当然のこと。
麻雀と違ってそこにドラマが発生しようはずもなく、パチプロの自慢話やら眉唾な攻略ネタやらの愚にもつかないものが殆どだったところへ出現したのが「アドリブ王子」という大傑作。
「アドリブのきかねー奴は勝てねえ!」の名台詞とともに勝ち続ける主人公・王子と、その毒気に挑んでは気圧される登場人物たち。
パワフルなギャグと展開で描かれるホールでの名勝負の数々。
大概の描き手にとってもただの「営業」でしかなかったパチンコ・パチスロマンガの歴史を、この作品が変えたと言えるでしょう。
マンガ専門書店はあかつきけいいち作品や七瀬あゆむ「パチスロバカップル」、尾上龍太郎「モッちゃん」などの新刊が出れば平積みにしていますが、こんなことは数年前には考えられなかったことですしね。
(そもそもこの手のマンガは単行本になることも少なかったわけですが)
で、あかつきけいいちの最新刊は「アドリブ店長」の方。
パチンコ・パチスロの機種そのもののみならず、ありえない出玉調整やプロとの駆け引きにロマンを求めるナイスガイな店長・小早川が主人公。
マサルとタンパク、「アドリブ王子」の面々、そして美人モデルの倫子(王子は本巻で「ゲロ」と命名)が、相変わらずアツく、しょうもない勝負を繰り広げてくれています。
■関連サイト
白夜書房 http://www.byakuya-shobo.co.jp/