Feb 26, 2005
殊能将之「ハサミ男」
「あらすじですが、アキバ系のオタクが電車の中で酔っ払いから助けた女の子に恋をしてですね」
「いきなり違ってます」
「で、女の子の行動パターンを綿密に調査した後に殺害するのが手口なのですが、狙っていた三番目の獲物の死体を発見してしまい、自らその犯人を探しだそうとする、と」
「サイコ・ミステリーの亜種、といった感じですね」
「新人であることとタイトルからして奇をてらっただけのミステリーかと思ったら、精緻な文章と構成で実に面白く読めました」
「メフィスト賞受賞作には当たりはずれがあるようですが、じゃあこれは当たりなわけですか」
「某国立大ミステリー研究会出身の作家に『てにをは』がおかしい輩がいることを考えたらそりゃあもう!」
「余計なことは言わなくていいですから」
「自殺願望の強い猟奇殺人犯と『医師』、という設定も個人的にはツボでしたしね。それにしても物語に仕掛けられたトリックを考えるに、どうやって映画化するんだろう、とはやはり思いましたよ」
「帯の謳い文句も『だれもが映像化は不可能だと思っていた。』ですしね」
「そこで公式サイトのストーリー紹介を読んだところ、その点については思い切りネタバレでしたよ・・・orz」
「原作を読んでいない人にとっては無関係な話ですけどね」
「ともあれ映画としては異質なものになるでしょうし、ラストで犯人の首をすっ飛ばしたりしないことを祈りつつ観に行こうとは思っていますが」
「別の作品のネタバレ書いてどうすんですか」
■ハサミ男 :: 公式サイト http://www.media-b.co.jp/hasami/index.html