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Jan 9, 2005

三月のライオン

三月のライオン眩しい月の下、あるいは二か月後に取り壊されるマンションの薄明かりの中で、うさぎと少女の愛の物語はどこへ辿り着くのか。

「風たちの午後」と同じ名前を与えられたヒロインのナツコはやはり嘘つきで、そして本作でも現実世界との境界を超える物語を成立させる。

鉄橋や廃墟、夜明けの街や海。
クーラーボックスやポラロイド写真といった小道具。

精緻な映像とフォルクローレの中で舞うその姿は本作ではより鮮烈。

女性同士の愛を描いた「風たちの午後」は16mmの自主映画だったけど、例えば文芸地下が森田芳光作品との二本立てで上映したことは、その評価の表れであったように思う。

そしてその11年後に発表された「三月のライオン」も兄と妹の愛を淡々と、しかし激しく描き、観る者の心に突き刺さる。


三月のライオン
1991年
配給 アップリンク
製作 西村隆
監督 矢崎仁司
出演 趙方豪 由良宜子 奥村公延 芹明香 内藤剛志 伊藤清美

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3月、雨が降ると観たくなる映画がある。 「三月のライオン」という1992年の邦画で、10年以上前から「一番好きな映画はナンですか。」と聞かれるたびに「ご存知ないとは思いますが、」と前置きして答える作品だ。 アイスと名乗る娼婦が、記憶を失くした実兄を想う映画な... 続きを読む

受信: Mar 1, 2006, 11:58:16 PM

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