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Mar 27, 2010

「えむえむっ!」9巻発売記念 松野秋鳴&QP:flapperサイン会

虎Aでまず商業の新刊を買おうと思うもレジ列の最後尾は階段。
冗談じゃねえや(メ゚Д゚) と手にした「ひだまりスケッチ」や「真月譚月姫」を平台に戻して、まだ20分以上あるというのにもうダマができていた虎Bの脇道でしばらくぼーっとして。

そして「『えむえむっ!』9巻発売記念 松野秋鳴先生&QP:flapper先生サイン会」に参加しました。

私が整理券を確保したのは14時からの第1部。
ところが定時になってもはじまる気配はなく、時限ですか ( ゚Д゚) とかくだらないことを考えていた14時08分、ようやく「みなさん、どうぞ拍手でお出迎えくださーい!」とスタッフさんの声が上がって松野秋鳴さん、小原トメ太さん、さくら小春さんの順にご登場。

初めてのサイン会ということで緊張している松野さん、それを朗らかに気遣う小原さん、やはり「緊張しています・・・サインをする手が震えないといいのですが」というさくらさんの挨拶を聞きながら。
参加者がちゅ○にやまく○いる工房に殺到したLeafオンリーの片隅で、コピー誌をまったり頒布していたおふたりが、ああ・・・どうしてこんなことにと思ったり。

QP:flapperはわしが育てた(AA略

だから、いざサインをもらうのが自分の番になったとき、松野さんには「アニメ化おめでとうございます!あ、私は美緒派です」と殊勝だったけど、QP:flapperのおふたりには「休足時間の頃からファンでした!」とボケるしか!

家宝 小原さん 「ほら、 ピメ子、 こんなバカが来たぞ」(意訳)
 さくらさん 「あ、ありがとうございます!」

とかいいながら実は緊張していた私、「またLeafの本を書いてくださいね」と言ったのはどうかした言い間違い、ほんとうはまた痕やこみパ や鎖 の同人誌が読みたいな、って・・・

で、でも信者だからどんなジャンルでもおおおおおおぉーーーっっっ!

そうしてみなさんがサインを入れてくれたイラストシートを、左利きだからなのかどうなのか、左端に座っていたさくらさんから受け取って、14時28分に虎Bの地下の会場を出てあらためて虎Aへ。
最後尾が3階などと、状況が悪化していた1階のレジ列に並んで44分かけて買いものをしたのは、そうしてMな気分になっていたからなのでしょう。

Mar 12, 2010

ネットを捨てよ、映画館へ行こう

こんなに楽しく面白い世界のファンタスティック映画祭 (SCREEN新書) 「こんなに楽しく面白い世界のファンタスティック映画祭」

 塩田時敏(著)
 近代映画社 SCREEN新書 021

 ISBN-10 : 4764822938
 ISBN-13 : 978-4764822931


映画祭とは何か。
たたでさえ映画は楽しいものなのに、さらに祭となれば面白くないわけがない!

カンヌにヴェネツィア、ベルリンといった一般マスコミで報じられる映画祭はいったん棚上げにして、本書ではファンタスティック映画祭に観客として、ゲストとして、あるいはディレクターとして参加した筆者がその魅力をぞんぶんに語ってくれています。

映画館に米や小麦粉が撒かれてクラクションの轟くパリ、シエスタの国であれば夕暮れから賑わうなどとファンタに相応しいシトヘス、じゃなかった、シッチェス。
「トラウマ」の頃のアーシア・アルジェントはさぞかし可愛かったろうなあ・・・と羨んでしまうブリュッセルは胡乱な空気が満ち溢れてまして楽しそうだし、そうして映画祭で映画人と語らい、傑作と出会う享楽!

アヴォリアッツってリゾート開発されたスキー場だったのかとか、知らない作品名だらけだよ・・・とか自分が半可通であることを思い知らされるけれどそれはそれとして、筆者の文章からさらに伝わってくるのは現場でのライブ感。

そう、日本にもゆうばりファンタがあるとはいえ、映画祭なんて一般のファンにはまず縁のないもの。
ただ、いくらシネコン全盛の時代にあって空気が変わってしまったとはいえ、DVDのレンタルや、ましてネットなどでは味わうことのできない楽しさが映画館にはある、それを再認識させてくれることも本書の魅力と言えるでしょう。

Jan 16, 2006

マリア様がみてる 未来の白地図

マリア様がみてる―未来の白地図冬コミからずっとイタいエントリーが続いているので、そろそろ真面目なレビューで軌道修正しようと思うのですが」
「タイムリーさを欠くこと甚だしいですが、まあいいでしょう」
「と言いつつ、読み終えたのは冬コミの行列中だったわけですけどね」
「はしたないですね」
「テンパったアタマで読んだのであまりえらそうなことは言えませんが、まず、この表紙とサブタイトルは」
「はいはい、ネタバレネタバレ」
「なんていうか、瞳子をはじめとする登場人物に含みを持たせ続けているだけで、話が進まないのがもうさすがに・・・
「聖の代やロサ・カニーナなんかとは違って、キャラクターの魅力だけでは物語を動かしづらくなったのかも・・・」
「で、その登場人物が増えている上、本作では可南子のキャラクターが変わったり、蔦子にきちんとした出番があったりしたからか、全体として散漫な印象があるんですよね」
「柏木がいい人だったり奥が深かったりといった描写も、そろそろやりすぎというのもありますね」
「ラストの祐巳が祥子にすがるシーンとか、祥子と令のこれからと友情を描いた『薔薇のダイアローグ』はひびき玲音さんのイラストを含めて上々なんですけどね・・・」
「まあ、独特の世界そのものがこの作品の魅力なわけだし、ましてこの新刊はひとつの話の前編という感じがするし、続刊に期待しましょうよ」
「祐巳のしおりももらえたし、多少の不満は珍譜堂の志摩子さんハァハァな同人誌で解消していることですしね。あ、来週末のサンクリでは聖メインの新刊が出るようですよ!」
060116「だから話をいちいちそっちへ持っていくのはやめなさいって」

(文中、ネタバレは背景色にしています)

関連リンク
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  マリみてDB http://waike.sakura.ne.jp/m/

Oct 17, 2005

桜庭一樹「ブルースカイ」

ブルースカイこの青空の下、私たちは生き、そして死んだ。
少女という概念をめぐる3つの箱庭の物語。

この作品の紹介として、帯や新刊案内に謳われているコピーははたして妥当なのかどうなのか。とりあえず自分の場合はもっと異なるストーリーを想像していたし、やはり違和感を覚えた人は少なくはないでしょう。
作者のオフィシャルサイトにおける紹介文が微妙に異なり、そして適切な表現になっているのは、もしかしたらそのあたりを訂正する意図があるのかもしれません。

ただ、「少女という概念」は確かに各部で描かれてはいるものの、その点については「だから?」と思ってしまうほどにインパクトは希薄。なんかこう、プロットの根本との因果関係がいまひとつ、といった感じで。

従い、「青い空」の暗喩、繰り返される「せかいは繋がっている」というフレーズからしても、時間や空間を超えた世界の「システム」を漂う人々を描くファンタジーと捉えた方が、より適切であるように思いました。絶望や困惑の溢れる「箱庭」も、やがて安息を取り戻すわけですしね。

また、そうした解釈によって、最終章を読み終えてまず抱く「なんだこのオチは」という感想も、エリカの過去やマリーの出自、ディッキーたちが作り出したゲームといった世界がオーバーラップした、この特異な物語についての評価へと翻るのでは、という気がします。

と、誉めているのか貶しているのか、自分でもよく判らない感想になってしまいましたが、この作者のファンタジー性はなかなかに新鮮であり、それが顕著な第一部は文章や科白がいちばん冴えている印象。
技巧に走らずトレンドに阿らず、正攻法かつよりハードな物語世界の構築を、新作には期待しています。

Jul 5, 2005

マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ

マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ黄薔薇の話を読んで「ショ○で来たか・・・」とか思ってしまったのはともかく、菜々が思い切り前面に出てくる話であれば面白く読めるのは当然。
その性格付けがちょっとあざとい気はしますが、黄薔薇ファミリーの人気向上は彼女にかかっているな・・・などと期待できる内容ではありました。

白薔薇の話は、もしベタなタイトルにするとしたら「志摩子さんの憂鬱」といったような内容。シスターになるかはどうかは分からない・・・と、志摩子が変わりゆく心情を吐露するあたりも読ませるところですが、志摩子が乃梨子に「素敵な方だったでしょう」と聖の印象を尋ねる台詞がまたいいなあ、と。
そしてとにかく秀逸なのが、心配して祐巳がかけた言葉に、(ネタバレにつき背景色テキスト→)周囲が「壊れた」と思うほどに志摩子が笑い続けるラストシーン。こういうハッピーエンドの描き方が好みである上、それが志摩子であることのギャップがまた面白いところ、で。

そして紅薔薇は、遊園地でデートする約束を祥子が果たそうとすることが寂しく思える祐巳、といった話。
ただ祥子に憧れ、慕うだけではいられない祐巳の立ち位置をいま一度明確にしたものと言えるのですが、「同志」のくだり他、とりあえず柏木が格好よすぎ。また、実際には登場しない瞳子の気持ちを、柏木の短い台詞で表現する憎い小技も施されています。

ということで、新刊が出ても短編集とみるや萎えたり、まずカバーの折り返しを読んで「まだ妹は決まらないわけですかそうですか」などとやったりしていることが、甚だ無粋に思える出来映え。三編各々由乃・志摩子・祐巳がメインということで、なんとなく落ち着いて読めたから、というのはあったでしょうけどね。

そしていちばん気に入ったのはいちばん短い白薔薇の話。
読み終えてその出来に嘆息、紅薔薇の話にとりかかる前の箸休めにと、そこで思わず志摩子さんが主役のハァハァな同人誌を読んでしまったほどでした。

と、イタいオチをつけるのはオタクのたしなみ、ということで。


関連リンク
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  アニメ「マリア様がみてる」公式サイト http://www.gokigenyou.com/
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Jun 14, 2005

山田悠介「ライヴ」

ライヴ感染した者を確実に死に至らしめるウィルス。
ゴールに辿り着きさえすれば、特効薬が手に入る。愛する人の命を救うために、彼らは狂気のトライアスロンに挑む・・・

デスゲームというかゼロ=サムゲームというか、要するに生き残りものが好きなのですが、高見広春「バトル・ロワイアル」を基準に考えてしまうのがどうにもいけません。

黒武洋「そして粛清の扉を」は新潮社+幻冬舎の第一回「ホラーサスペンス大賞」ということもあり、期待して読むもその出来たるや ピ ー だし、貴志祐介「クリムゾンの迷宮」はさすがに読ませるものながら、「黒い家」「天使の囀り」と比べると物足りなさを感じてしまうし、で。

それはそれとして、この本を書店で手に取り、トライアスロンのコースになっている目次を見ると、各章が「198/198」「117/198」「43/198」「7/198」・・・ これはもう買うしか!

序盤、三人組がバスで知り合うシーンにはこらこらと思いましたが、登場人物の設定はよくできているし、物語がテンポよく進んでいくのも好感。
42人とかきっちり描写して長尺にされるのはそれはそれでヘビーだし、と実に面白く読み進めた上、本に挟まっていたチラシに書かれている既刊「パズル」や近刊「ブレーキ」もやはり生き残りもの。寡聞にして知らなかった作家、そっちも読まないといけないかな・・・などと思っていたのですが。

登場人物各々のエピソードをきっちりとまとめることなく物語がクライマックスに向かっていくのが、まず不安を感じたところ。ていうか、折角上々の設定をしていたのに、なにをやっているんだ、と。
そしてその嫌な予感が的中、ラストはあまりにも弱すぎ。特効薬のためのレースが行われた理由そのものはまあよしとして、そこへ至る伏線や描写が弱いため、読む者を打ち響かせるものがないわけです。

ということで、もう二~三割枚数を多くして、そうしたところをしっかりと描いていればいい作品になったのになあ、と残念な思いが少々。まあ、この手のストーリーが好きな人であれば、とりあえず一気読みしたくなるレベルではあるのですけどね。私も2時間15分かけて一気読みしたわけですし。

May 13, 2005

アキバのディープな歩き方

アキバのディープな歩き方 アキバBlog 2005少女監禁事件の小林泰剛容疑者が特殊なゲームをやっていたということで、報道ステーションでは秋葉原の通行人にインタビューをしているし、きょうの出来事ではメッセ店頭のポスターが映り紀藤弁護士がエ■ゲーの影響について解説、こうしてまたこの街に対する一般人のイメージが悪くなっていくのだなあ、と思ったわけですが。

レジのトレイに「さいたまさいたまさいたま!」と書いてあってもなんとも思わなかったり、最新ソフト売りに声をかけられても「多少銭? ・・・很貴!」とクールにいなしたり、柚原このみがチラシ配りをしていても動じなかったりと、この街を徘徊するためのスキルが身に付いていることは少なくとも誉められた話ではないのだろうな、と。

実際、身の回りのカタギがみな秋葉原というとメイド喫茶をまずイメージするらしいのがなんだかなあな昨今ではあり、そしてこの本の巻頭が延々とメイドやレイヤーであるのを見るに、やはりそうなのか・・・?と思ったり思わなかったりしたわけですが、モデルはもう少し選べ、というのは読んだ人みなとりあえず感じたことでしょう。

ということで内容についての感想はと言えば、本当はもっと濃ゆい内容のアキバBlogの、あのカオス感が薄い点がまず気になるところ。それはまあ本ということを考えるとやむをえないところなのでしょうが、収録されたネタが偏り気味になっている点も食い足りない感じではありました。
あと、サイトのトップにもあるようにLittle Nonネタが多いあたり、今週末にとらのあな横ビルで行われるライブに行かれる方は、顔は隠されるとはいえメディアデビューしないように注意した方がいいかもしれませんね。

Apr 4, 2005

マリア様がみてる
妹(スール)オーディション

マリア様がみてる ―妹(スール)オーディション「ということで早速読了したわけですが」
「『イン ライブラリー』をまだ読んでいないのに、ですね」
「それはその通りですが、このサブタイトルじゃあこちらが優先ですよ!」
「力説しなくていいですから」
「で、オールスターキャストでどのキャラが贔屓であってもおそらく満足できる内容。江利子VS由乃のくだりも面白かったし、シリーズの中でも上位の出来でしたね。『イン ライブラリー』は目次と最初の十数ページでなんかもう ピ ー でしたが」
「読んでないのに、ピーを入れられるような厨な発言はやめなさい」
「ちゃんと読んだけど『チャオ ソレッラ!』なんかも ピ ー 
「・・・まあ確かにamazonのレビューにも辛辣な意見がありますけどね」
「それはそれとして、この新刊で特に読ませたのは蔦子の話。祐巳が格好よすぎかなとは思いますが、眼鏡っ子萌えの方々はきっと満足されたかと!」
「萌えは全く関係ないと思いますが、ともあれ彼女の再登場にはおおっと思いますよね」
「蔦子が茶話会の写真を撮らないのは自分自身が参加するためかと思ったので、あの展開にはやられたと思いましたよ」
「素直に『バラエティギフト』の内容を忘れてたと言いなさいよ」
「ということで読後納得されない方もいるでしょうけれど、しかしまさにその点が上手に描かれているのがイイ感じでした。敢えて難点を挙げるとしたら、本に挟まっていたドラマCDのビラ。油断して開いたらまたしてもスーパードルフィーのアップだったので個人的にはガクブルしてしまいましたよ」
「無理にオチをつけなくていいですから」


関連リンク
  Webコバルト http://cobalt.shueisha.co.jp/
  アニメ「マリア様がみてる」公式サイト http://www.gokigenyou.com/
  マリみてDB http://waike.sakura.ne.jp/m/

Feb 26, 2005

殊能将之「ハサミ男」

ハサミ男「あらすじですが、アキバ系のオタクが電車の中で酔っ払いから助けた女の子に恋をしてですね」
「いきなり違ってます」
「で、女の子の行動パターンを綿密に調査した後に殺害するのが手口なのですが、狙っていた三番目の獲物の死体を発見してしまい、自らその犯人を探しだそうとする、と」
「サイコ・ミステリーの亜種、といった感じですね」
「新人であることとタイトルからして奇をてらっただけのミステリーかと思ったら、精緻な文章と構成で実に面白く読めました」
「メフィスト賞受賞作には当たりはずれがあるようですが、じゃあこれは当たりなわけですか」
「某国立大ミステリー研究会出身の作家に『てにをは』がおかしい輩がいることを考えたらそりゃあもう!」
「余計なことは言わなくていいですから」
「自殺願望の強い猟奇殺人犯と『医師』、という設定も個人的にはツボでしたしね。それにしても物語に仕掛けられたトリックを考えるに、どうやって映画化するんだろう、とはやはり思いましたよ」
「帯の謳い文句も『だれもが映像化は不可能だと思っていた。』ですしね」
「そこで公式サイトのストーリー紹介を読んだところ、その点については思い切りネタバレでしたよ・・・orz」
「原作を読んでいない人にとっては無関係な話ですけどね」
「ともあれ映画としては異質なものになるでしょうし、ラストで犯人の首をすっ飛ばしたりしないことを祈りつつ観に行こうとは思っていますが」
「別の作品のネタバレ書いてどうすんですか」


ハサミ男 :: 公式サイト http://www.media-b.co.jp/hasami/index.html

Feb 17, 2005

阿部和重「グランド・フィナーレ」

グランド・フィナーレ読み始めてすぐ「なんだこの下手糞な文章は」と文藝春秋をぶん投げようかと思いながらも、中吊り広告の謳い文句につられたこの身が愚か、まあ「インディヴィジュアル・プロジェクション」を買って読まずに放置していたその贖罪、などと嘯きつつ読み進めて行くうちに、選評で高樹のぶ子氏が触れている通り、その特異な文章表現が少女偏愛の異常性を描いたこの作品に合っているなあと、むしろ違和感なく読むことができたのですが。

親権剥奪により会えなくなった娘への溺愛と、他の少女へと向けられる欲望とは並列ではありえず、ならばやはりその捩れや歪みは描かれるべきでしょう。郷里へ戻った後に二人の少女と出会ったところから狂気が加速するのかと思えば、別の方向へと主人公が転身するのはまあ別に構わないけれど、それでは登場人物の特性がいちいち希薄なことと相まって、この題材に相応しい心の深淵や闇といったものが徒に欠落することになるだけでは、と。

そうした意味で、酒鬼薔薇事件を題材とした桜井亜美「14 fourteen」は、ただひたすらに「終焉」に向けて物語が突き進むというその一点で読ませるものになっているし(宮崎事件を題材にした比留間久夫「100%ピュア」は・・・触れぬが吉ということで)、ともあれ本作の後半、主人公と二人の少女とのオーバーラップ、そしてグランド・フィナーレ、作者が描こうとしたものは、しかしその輪郭がぼやけているように思えます。