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May 9, 2013

死霊のはらわた

死霊のはらわた壊れてしまった兄妹の絆。
荒んだ生活を送る妹、薬物依存症のミアの治療のため、関係を修復するために兄のデビッドは友人たちと森の中の山小屋にやって来る。そこは兄妹が母と暮らした思い出の場所だった。
ところが地下室には猫の死骸、呪術的な儀式の痕跡。「何か」が燃やされた跡。

そして、有刺鉄線で縛られた「死者の書」。

世界が熱狂したスプラッタの傑作が三十余年の時を経て今、蘇る!


キービジュアルやプロモーションから新しい設定とストーリーが提示されることは分かっていて、焦点はオリジナルの絶対的なパワーがスクリーンに再現されるか否か。
だから、あのテープレコーダーの惨劇が描かれるオープニングには高まるというもの、映像の精緻と相まってオリジナルを知っていようとなかろうと、死霊の棲む森の物語に否応なしに、観客はアッシュのように引きずり込まれるはず。

その森の木々が女性を襲うシーンは流石に再現されたものの、オリジナルを徒に踏襲しない脚本、美術や音響は丹念な仕事。鼻につかない程度にオリジナルのパロディを盛り込んだ点にも作り手のセンスが窺えるというもので、だからクライマックスやラストシーンまでしっかりと、新しい"EVIL DEAD"を供しているとは言えるでしょう。
ただ、オリジナルにあまり思い入れのない私のような観客が冷静に客観的に、このリメイクに意見をするとすればまずはゴア描写、スプラッタの甘さ。とはいえR18+のレイティングへの文句は私見でしょうからさておいて、議論されるべきはオリジナルの

アッシュという存在。

そう、再現されなかった恐怖については是としよう。不平を述べる原理主義者は老害と誹ったっていい。それでも、『死霊のはらわた』(1981)と続編への熱狂は彼についてのものではなかったか。
オリジナルを知らない観客であればいい、繰り返すけれどこれはよく纏まった作品だ。しかし、纏まっていていいのか。アッシュのポジションを女性が演じるのなら、ホラー映画の金字塔たる作品をリメイクするのであれば、ミアが新たなアイコンになるようなスラップスティックが要求されていいはずだ。そこだけが食い足りない。

だから手放しに"Groovy!"とまでは言いづらい作品ではあるけれど、パンフレットの解説や小ネタを確認するためにもう一度観たいと思わせる狡猾さもあって、サム・ライミが認めた才能は肯定するべきものではありました。
あるいはファンなら"Within the Woods"(1978)でこれからも迷い続けるのかもしれません。

(文中、ネタバレは背景色にしています)

死霊のはらわた  EVIL DEAD
2013年 アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
製作 ロブ・タパート サム・ライミ ブルース・キャンベル
監督 フェデ・アルバレス
出演 ジェーン・レヴィ シャイロー・フェルナンデス ルー・テイラー・プッチ ジェシカ・ルーカス エリザベス・ブラックモア

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