Nov 24, 2012
さようなら、シアターN渋谷。
かねてから噂のあったシアターN渋谷の閉館が、日本出版販売から正式に発表されたのは9月20日(木)のこと。
嗚呼、その日がついに・・・とホラー映画マニア全員が悲観に暮れてから2か月あまり、12月2日(日)がやって来ようとしています。
ホラー映画なんて本来ニッチ。しようのない話ではありますが、カタギのみなさんが知らない、知る必要もないろくでもない、だけど愛すべき作品をかけてくれたここがなくなってしまうのは・・・「バイオハザード」や「パラノーマル・アクティビティ」は勝手にやっててくださいなとか言うつもりは毛頭ありませんが、どうしようもない絶望感がありますね。
そう、ホームシアターに毛が生えたような設備と残念な音響、前の座席に人がいるとスクリーンの字幕が余裕で読めない、空調の音がやかましい、シネマスコープの作品なのにビスタサイズのスクリーンになっていることに気付かない映写、等々は瑣末なこと。都内最悪の映画館と言われようと、春には桜が咲き誇る坂道を、我々は胸を躍らせて上ったものです。
核実験の被曝による畸形が映るオープニング、そうしたストーリーであるために日本での劇場公開が絶望的だったアレクサンドル・アジャの"THE HILLS HAVE EYES"の上映が決定したときの歓喜。
あるいは、ダリオ・アルジェントの"MOTHER OF TEARS"は一体いつになったら・・・あ!ロビーの自動販売機にさりげなくポスターが!といった驚愕。
そんなときめきがこの映画館にはあったのです。
ホラー映画なんて悪趣味なもん観ねえよと仰るシネフィルのみなさんも、そこのところは同意してくださることでしょう。
ここがなくなってもうすぐ銀座シネパトスもなくなって、テアトルシネマグループにはいまひとつ期待できない、ミニシアターが斜陽の状況下でシネマカリテをオープンさせる武蔵野興業も気まぐれでは、マイナーなホラー映画をマメに上映してくれる映画館なんかもう!ロブ・ゾンビの"THE LORDS OF SALEM"はどこがかけてくれるのかな・・・とかさ!
それはそれとして。
7年間、お世話になりました。ホームシアターに毛が(中略)だけど、我々はほんとうに楽しませてもらいました。
シアター2が満席になったのは「ゾンビ HDリマスター/ディレクターズ・カット版」のトークイベントがあった回と、あとはあの「隣の家の少女」しか覚えがなくて、「ここ数年の市況の厳しさとも相俟って、中期的な展望を見出すことは難しく、残念ながら事業撤退の決定に至りました」ももっともですね・・・とは思いましたが、またいつの日にか、お逢いできることを祈っています。
■ サイトの「シアターN渋谷の全上映作品リストはこちらです!」が泣けたので、私がここで観た作品を以下にコピーしておきます。
044 2006/09/30 デヴィルズ・リジェクト
047 2006/10/28 ホステル
098 2007/09/08 ホステル2
099 2007/09/29 ヒルズ・ハブ・アイズ
100 2007/10/13 スポーツキル ※トークイベントも観覧
101 2007/10/13 ヒルズ・ハブ・アイズ2
105 2007/11/17 モーテル
177 2008/08/30 デイ・オブ・ザ・デッド
179 2008/09/13 フロンティア
204 2008/10/25 ハロウィン
214 2009/01/17 グロテスク
239 2009/04/25 サスペリア・テルザ 最後の魔女
272 2009/11/07 ディセント2
275 2009/11/28 サバイバル・フィールド
287 2010/03/06 ゾンビ HDリマスター/ディレクターズ・カット版 ※トークイベントも観覧
288 2010/03/13 隣の家の少女
347 2010/06/19 4匹の蝿
348 2010/06/19 ハロウィンII
352 2010/07/17 ザ・ホード死霊の大群
421 2011/07/23 モンスターズ/地球外生命体
443 2012/01/21 セルビアン・フィルム
444 2012/01/21 ゾンビ大陸 アフリカン
474 2012/06/16 発情アニマル
506 2012/11/03 トールマン