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Feb 11, 2012

ゾンビ大陸 アフリカン

ゾンビ大陸 アフリカン死者が甦り生者を喰らう。
任務を放棄して脱出する米軍機は墜落、海辺に漂着した機械技師を軍人は見捨てて遁走する。
勇敢で賢明な西アフリカ軍人は故郷の惨劇と息子の無事を知る。

やがて邂逅するふたり、ゾンビが溢れる地獄に思想などいらない。
絶望的に広大なサハラ砂漠、終わりが始まった世界で、愛する者の元へ。希望を求めて。


「ドーン・オブ・ザ・デッド」アンチのゾンビ映画ファンは派手なドンパチなど求めない、「それはアクション映画にすぎない」と批評した、ロメロ原理主義者である監督たちのまなざしは確かに高い。
だから宣伝が謳うようにゾンビ映画の原点から終末を、人間の弱さと強さを描こうとした姿勢は理解するけれど、それは理解しようと務めればこそ、観客に響いているかどうかは疑問です。

物語の冒頭や、ブライアンとダニエルが出会うシーンは上々、飛行機の墜落やゾンビに襲撃される村のシーンと絡んで静かに残酷に展開するものの雑に感じた構成や演出、そして嫌な予感が的中して。
そのあとは、ゾンビがいないかどうか確認しては逃げるだけの起伏も妙もないふたりの道中が延々と続くだけ、技量を欠く演出では人間の傲慢や淘汰といった哲学が伝わって来ない、練られていない脚本は呪術医を登場させながらブードゥー教を織り込まない。
「28日後…」でさえ散漫と批判されることがあるのだから、ロードムービーの体であれば作り手にはより丁寧な仕事が要求されるはず、精緻に描かなければならない別離のシーンまでが唐突で間抜け過ぎでは誉めようがありません。

そう、ストーリーそのものはいいんだけど希望も絶望も達観も哀切も何もかもが薄い、スクリーンに浮かんで来ない。
クライマックスにしても基地のパニックを、アメリカの絶望を、妻子の悲報を畳みかけるように描写できていたなら、それでこそあのラストシーンが決まるというものでしょう。

予告編に惹かれなかったことも観終えてみればもっともだったなと思いながら、公開されて日が経つとはいえ観客が僅か8人だったシアターN渋谷のシアター2を出ると、レイトショー上映のみではあるけれどシアター1の「セルビアン・フィルム」は盛況、その対比にはただ納得するだけでした。

(文中、ネタバレは背景色にしています)

ゾンビ大陸 アフリカン  THE DEAD
2010年 イギリス (2012年 日本公開)
配給 インターフィルム
監督・脚本 フォード・ブラザーズ(ハワード・J・フォード&ジョン・フォード)
出演 ロブ・フリーマン プリンス・デビッド・オセイア デビッド・ドント

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