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Mar 6, 2011

コリン LOVE OF THE DEAD

コリン LOVE OF THE DEADその日、世界が終わり、僕はゾンビになった。
でも、僕は行かなければならない。死に満ちて、壊れた街を彷徨いながら、

あの場所に。


製作費45ポンドはその内訳、製作の過程を知るに眉唾でもなく、スタンダードサイズの映像が投写されるやこのご時世にHDですらないのかと吃驚して、なおのこと納得してしまうというもの。
16ミリで製作するには機材とフィルム代が大層だった時代を考えれば、こうして若い才能が突然脚光を浴びるためのハードルが低くなったことは、かつて老害が跋扈するのみだった映画界にとって喜ぶべきことでしょう。

ただ、本作の出来はどうか。
既存の作品とは違うものを作ろう、ゾンビになった青年の主観で物語を紡ごう、その発想は是としよう。
低予算だから、凝ったセットやギミックは使えないのだからとセンチメントを打ち出すのなら、では、数多のゾンビ映画が供してきた恐怖を踏まえた上で、何をどう描いたというのか。

なにより人間の醜悪と滑稽を描くことができていないでしょう。

そう、ゾンビの目線でという割には普遍的な、ストーリーを俯瞰した演出にしか見えない。コリンの家族が悲観に暮れるシーンですらそうでは才気がまるで感じられない。
ドラマ性の希薄さはあるいは意図したものかもしれないけれど、ならばコマ落としやブレる映像の処理、インサートされる風景の意味は何処にあるのか。

それでもラストだけは、なるほど、人間の儚さを描いた本作最大のセールスポイントだから唸るものではあったけれど、シアターN渋谷のトークイベントでの江戸木純氏の発言、「ロメロファンなら泣けるはず」までのものでは・・・と。
だからその江戸木純氏の手による日本語字幕、新聞記事の見出しに躍る“The Dead Walk!”が「死者が歩いた!だったことに苛立つほど狭量にもなろうというもの。

自主映画並みの低予算と言えば「パラノーマル・アクティビティ」、ゾンビ映画ですぐさま思いつくところでは「ミート・マーケット」。
それらの作品は声高に貶すことのない私ですが本作は、製作の特殊性という色眼鏡で見ようともどうにも口に合わず、だからたとえばサム・ライミの8ミリ作品“Within the Woods”を観た人ならどのような感想を抱くのかが気になるだけで、これ以上の感想はありません。

(文中、ネタバレは背景色にしています)

コリン LOVE OF THE DEAD  COLIN
2008年 イギリス
配給 エデン
製作・監督 マーク・プライス
出演 アラステア・カートン デイジー・エイトケンズ タット・ウォーリー リアンヌ・ペイメン

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