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Mar 10, 2010

ゾンビ HDリマスター ディレクターズ・カット版&公開記念トークイベント

ゾンビ HDリマスター ディレクターズ・カット版数多のフォロワーを産み落としたゾンビ映画の金字塔、そんな形容などとうに手垢にまみれたジョージ・A・ロメロの偉大な仕事。
ああ、「ゾンビ」をまたスクリーンで拝める愉悦たるや!

レーザーディスクボックスのリリースにやはり合わせて、1994年に新宿シネパトスで上映された折にも喜び勇んで観に行って、そのとき買った豪華なパンフレットはそれはもう大切な宝もの。
今回それがないことは残念で、15種類のTシャツやトランプ、リストバンドや財布といった物販にも食指は動かなかったけれど、なにも買わずに帰ったら信者の名折れというものだろう!

だからまずポストカード、あとはまだ注文していなかった通信販売限定の「ザ・クレイジーズ」のDVDを買って胸を高鳴らせて上映を待った渋谷の夜・・・そう、トークショーが催される公開初日の最終回、シアターN渋谷のロビーは整理番号順での入場を待つ同志でごった返していたのですが、

公開当時はそんな熱狂などあろうはずはなく。

葉書・オブ・ザ・デッドたとえば、フランス映画社が配給するような文芸映画を殊更に賛美する中二病な評論家たちは、やれ悪趣味だゲテモノだと挙って酷評したもの。

なるほど、アクション要素を強調したダリオ・アルジェント版をそう評することは理解しよう。では君たちは、ディレクターズ・カット版にどのような感想を抱くのか。
カンヌ国際映画祭のために突貫工事で編集されたこのバージョンはロメロも不服に思っているようだけど、そこに溢れるアイロニーと終末感、滅亡の淵に喘ぐ人間の儚さまで否定するというのか。

「ゾンビ」との出会いを語るところからはじまったトークショーでは、もちろんそうしたロメロ作品ならではの魅力にも触れられることになるのですが、

 江戸木純さん 「有楽座のロードショーの初日か2日目にまず観たんだけど、
          名画座に追いかけるたびにエンディングのヘリが飛ぶシーンが短くなっていって」
 伊東美和さん 「悲しいですね(笑)」
 中原昌也さん 「有楽座でチラシとか観て、ぐわ、なにこれ最悪。こんな映画観たくない。
          とか思いながら9歳のときに姉貴の同級生のお兄さんと観に行って熱中して」
 伊東美和さん 「僕は田舎だったのでビデオになってからなんですよね」


・・・。


伊東美和さんがそんなヌルい人だったなんて!


暴言はともかく、「大人だったらこんな馬鹿馬鹿しい映画観ないよ(笑)」(中原)、「『ゾンビ』がホラー映画として画期的だったのは、霊魂がない、死んでこうなるのが怖いという、殺人鬼ものやオカルトとはまた異なる恐怖なんですよね」(江戸木)などと滔滔と愛が語られはじめて。
そして、やはり似非評論家とは違うと思ったのは、「文明は終わっているんだけど決定的な人類の滅亡ではない、ずるずると衰退していく」(中原)ことが素晴らしいとしたくだり、うん、そうなんだよ!

だから、ドライブ感のあるアルジェント版が日本でまず公開されたことが実はよかったとする意見に、あ、そ、そうですよね!と翻意もしようというものです。
そうして、江戸木さんがビデオ化の監修したエピソードや、この作品の3D化、すぐ続きから始まる続編の製作が企画されているといった情報を楽しく聞いていると、やがて話題は6月に公開される「サバイバル・オブ・ザ・デッド」に。

 伊東美和さん 「よかったですよ!いいB級アクション映画を観た、というカンジで」
 中原昌也さん 「ぶっちゃけ『ナイトライダー』の障害物がゾンビになっただけなんだけどね(笑)」

ゾンビの数がいまここにいる人よりも少ないというのはどうなんだろう・・・とは思うけど、ファンの声や質問を反映させた内容になっているというのは興味があるし、楽しみだなあと。

楽しみといえば4/23に発売される「新世紀完全版DVD-BOX」
今までとは違う画質や日本初公開のドキュメンタリー「ゾンビマニア」が収録されることに触れながら、最初の吹替版への抗議がテレビ東京に殺到したというエピソードが紹介されて、あのラストの改変が好きだったんだけどなあ、収録されるのは抗議を受けて作り直したほうなのか・・・と、ちょっと残念。
でも、「正月からずっと1万字、解説書のための文章を書いたんで読んでください」(江戸木)と言われてはもちろん買いますけどね!

あとは、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で上映された、制作費45ポンドの「コリン」を江戸木さんが買い付けた話題、「ロメロの世界をそのまま映画化した作品で、最後はゾンビファンなら号泣します」とのことに、シアターN渋谷がきっと上映するんだろうな!と想像したり、いま世界ではゾンビ映画が大量に製作されている、「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」以降、デジタルビデオでゾンビ映画が簡単に作れる時代になったから、というくだりに、
シアターN渋谷


うん、ゾンビ映画の未来はロメロの作品の色調とは違って明るいね!


と思ったりしているうちに、女性のスタッフさんから「では最後に、今から『ゾンビ』をご覧になるみなさんにひとことを」と促されて、

 江戸木純さん 「とにかく素晴らしい映画。
          これからも一生の間に何度も観るでしょう。あ、ボックスも買って下さい(笑)」
 中原昌也さん 「ビルの灯りが消えてゆくシーンが素晴らしいです。文明が滅びる象徴として」
 伊東美和さん 「『サバイバル・オブ・ザ・デッド』も公開されますし、ロメロがどのように変遷したのか、
          ゾンビを殺すシーンを噛み締めながらご覧ください」

27分間のトークショーは終了。
予告編もなくテレビ局の赤い壁が投影されて、そして上映がはじまって、プリントが悪いのか シアターN渋谷だからなのか HDリマスターは特別綺麗ではなかったし、音響が割れているところもあったけれど、コアなロメロ信者たちはスクリーンに見入っていたのでした。

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