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Dec 16, 2007

アイ・アム・レジェンド

アイ・アム・レジェンド癌の特効薬として開発されたウィルスの副作用で滅亡しようとしている人類。
凶暴化した感染者たちは暗闇に潜み、軍人であり科学者であるネビルはニューヨークでたったひとり、治療法の研究を続ける・・・

正月映画の本命では?と言われながら、公開を間近にしてかなりの悪評。
SFにはまるで興味がない私ですが、「後半がゾンビ映画」であることが貶されている理由のひとつなら・・・バッチこーい!と、ホラー映画好きとしては観ることにしましたよ。

また、ホラー映画好きなので満員の映画館で鑑賞する機会などそうはなく、そしてエンドロールが流れ始めるや場内に凄まじいどよめきと乾いた笑いが満ち溢れた光景は、かなり久々に味わうものでした。

いや。
ゴーストタウン描写は頗る上等、「28日後…」のロンドンを凌ぐその荒涼感については、観る価値が大いにあると言えるんですよ。

色とりどりの缶詰や調味料が並べられたキッチン、レンタルビデオショップでのマネキンとの会話。
さらに、愛犬のサムはどうしようもなく素晴らしく、ネビルと一緒にルームランナーをしたりバスタブの中で眠ったり、戦闘機の翼の上から摩天楼に向かってゴルフの練習をするシーンでは興味なさそうに、それでもすぐそばで付き合っていたり。

そして、ウィルスを治療するための研究に懸命になりながら、しかし自分が救おうとしている感染者たちに命を奪われるかもしれないジレンマ。
妻や娘との別れ、悲劇を織り交ぜて描かれる、そうした空虚な世界の描写は素晴らしいのですが・・・
そこまで。

いかんせん、サムを失ったあとに精神の変調に見舞われて、安息の地を目指す母子と出会ってからの展開は、伏線もなんの説得力もない代わりにツッコミどころ満載、ぶっちゃけぞんざい過ぎで・・・

だから、ゾンビ映画好きとしてはダーク・シーカーズに「走んじゃねえ!」と言いたいのはともかく、中盤までがいくら重厚であろうとも、全体については薄いなあ・・・という感想になってしまうのです。

たとえば、ゼノフォビア(外敵恐怖症)をダーク・シーカーズに拠らず殊更なメタファーとして描き、前半の緊張感を持続したままで人類とネビルの再生の物語、新しい解釈の「地球最後の男」を描いたなら、もちろん批判はあろうけれど、それだけではなかったろうに、とも。

なにはともあれ、孤独の描写の巧みさですべてを許せる寛容な精神を持っている人と、犬が好きな人にしかお勧めできないホラー映画の凡作であるように思います。

(文中、ネタバレは背景色にしています)

アイ・アム・レジェンド  I Am Legend
2007年 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース映画
製作 アキバ・ゴールズマン ジェイムズ・ラシター デイビッド・ヘイマン ニール・モリッツ
監督 フランシス・ローレンス
出演 ウィル・スミス アリーシー・ブラガ ダッシュ・ミホック チャーリー・ターハーン

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