12
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31

Jan 25, 2007

ハイテンション

ハイテンション アンレイテッド・エディション この当惑は君を愛してるから ときめきが次第に大きくなる

 そばに来て強く抱きしめて なぜって君を愛してるから

笑いながら、「なまいきシャルロット」を一緒に歌いながら、試験勉強をするために親友のアレックスの実家へとやってきた女子大生・マリー。
そして、トラックに乗ってやって来た正体不明の男が人里はなれた一軒家のドアのベルを鳴らして、地獄の一夜がはじまった・・・

アレクサンドル・アジャがリメイク版「THE HILLS HAVE EYES」の監督に起用されたのは、おそらくは徒に技巧に走ることのない演出とセンスに拠るもの。

作り手のマスターベーションを見せられることの少なくない昨今のホラー映画にあって、緊張感を決して緩ませることなく、恐怖と暴力を淡々と描き続けたその姿勢は、まず誉められるべきものでしょう。

まあ、喧伝されたゴアはそう大したものではなく、特殊メイクが「地獄の謝肉祭」のジャンネット・デ・ロッシであるのなら、ガソリンスタンドのシーンでは、その向こう側に冷蔵庫の酒瓶が見えるほどの大きな穴を土手っ腹に空けてほしかったものですが、それはそれとして。

この作品をめぐる賛否両論は、なんと言っても観客を騙し討ちにした結末がその最たる理由。
観終えるや、いや、種明かしがされるやいなやちゃぶ台をひっくり返した人は少なくないと思いますが、そこでストーリーの矛盾を云々することは、はたして是と言えるのでしょうか。

 「誰にも邪魔させない」

 「誰にも邪魔させない・・・」

問題はむしろ、そうして観客が感じるであろう疑問を有無を言わさずねじ伏せる説得力、それこそ「極限体験」を供するほどの圧倒的な演出力が必要ではあったということ。

その点については力不足であったことは確かに否めませんが、狂気の物語であればこうした手口もまたアリとするべきで、仕掛けられていたトリックを殊更に声高に取り上げて、作品を否定してしまうのは無粋だと思うのですがいかがでしょう。

それにしても、ヒロインのセシル・ドゥ・フランスの存在感、その魅力は強烈。
ラストシーンの狂気溢れる表情は、この作品について批判的な向きさえも唸らせたことでしょうし、数多のホラー映画の中でも相当な輝きを放っているように思います。

(文中、ネタバレは背景色にしています)

ハイテンション  HAUTE TENSION
2003年 フランス (2006年日本公開)
配給 ファントム・フィルム
製作 アレクサンドル・アルカディ ロベール・ベンムッサ
監督 アレクサンドル・アジャ
出演 セシル・ドゥ・フランス マイウェン フィリップ・ナオン アンドレイ・フィンティ オアナ・ペレア

この記事のトラックバックURL:

この記事へのトラックバック一覧です

ハイテンション

コメント
コメントを書く