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Apr 16, 2006

西島大介「アトモスフィア1」

アトモスフィア1 わたしと「わたし」。

 わたしがわたしのために、
 あらかじめ、みんなを赦してるから・・・

西島大介さんの新作は、ある種の狡猾さとともに超感覚的なストーリーを読者に供することになる、いつもながらの「メタとネタと萌え」。
作者の内的世界、その深淵を描くという意味において、いまこの人ほどに純文学的なコミックの描き手はいないでしょう。

まして、いまそこで起きている「何か」をテキトーに描くことがこの人の作風であるのなら、作品の中で躍るキャラクターの存在感と、淡々と描かれてゆく妙なる物語世界は、その圧倒的なセンスと絶対的な力量に拠るものと感嘆するばかりです。

といった具合に、サブカルな人たちであれば、まるでそれが美徳と言わんばかりに賞賛するのでしょうけれど、この人の作品を読んで思うことは、その一歩先へと突き抜けられるのか、ということ。

 存在理由と自我認識。
 ドッペルゲンガーに出会ったのなら、そのもうひとりの「わたし」を殺さないと・・・

 でも、どっちがドッペルゲンガーなの?

この物語にしても、またぞろ読者を突き放し、奇を衒っているだけのように受け止められかねない結末になるのでは、といったあたりが危惧されるところ。

だからこそ、そうした悪意のある評価など、呆気なくねじ伏せるような作品として完結することを、今週発売される続刊には期待しています。


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