Jan 26, 2006
須藤真澄「長い長いさんぽ」
ゆずが「もう充分」って言うまで、
どうか誰もゆずを連れて行きませんように・・・ (「ゆず」第14話)
一緒に暮らした十六年の歳月。
自転車のカゴの中で、もう動くことのないゆずと一緒に歩き出した冬の日。
その長い散歩を描いた、ゆずとままの最後の物語。
いままでの作品がみな橙色の装丁であったのに、この本を空色にしたのは、ゆずが駆けた、ゆずとままが歩いた日々の上に広がっていた青空をあらわしているのでしょう。
もっと優しくできたはずなのに。
もっともっと、楽しい時間を過ごせたはずなのに。
猫と暮らした人たちはみな、そう悔やんだり悲しんだりするのでしょうけれど、その思いに「ありがとう」と、彼らはきっと微笑みながら、天国へと旅立っていくに決まってる。
ゆずも、きっと。
■ 須藤真澄ホームページ・おさんぽ王国 http://www.catnet.ne.jp/masumi/
コメントを書く