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Aug 13, 2005

劇場版「AIR」DVD コレクターズ・エディション

劇場版 AIR コレクターズエディション

多用される画面分割や暗転、板絵は鬱陶しいだけで演出効果に繋がるものではなく、そして眉をひそめたくなる色彩設計のどぎつさは、空と海は美しく描かれなければならないこの物語においては致命的であるとすら言えるでしょう。

また、物語世界において「死」を描くのであれば、その理由は確実に提示されなければならない上、やはり作り手の技量で「見せる」ものであってほしいところ。
涙でしか悲しみの感情を表現することができないのか?といった点と合わせて、演出がどうにも稚拙に思えてなりません。

ただ、神奈と柳也の物語を、観鈴がフィールドワークで「空と海が見える街」の伝承をテーマにしたことで描くというプロットは上々、絵作りについても構図やカット割りに徒に凝ればいいというものではなし、そう声高に貶すほどのものではないでしょう。

いかんせん京都アニメーションのTV版が驚異的なクオリティであるために、どうしても比較してしまうことが間違っているのかもしれません。
それでも、劇場版ということで時間の制約があるのなら、ひと思いにひたすらイメージで押すような作り、構成にしてしまってもよかったのでは、という思いも少々。ストーリーを知らない人には不親切なものになるし、そうした手法で観る者を惹きつけるには、勿論作り手の器量や技量が要求されるわけですけどね。

ところで、特製ブックレットに収録された「もうひとつの物語」、シナリオの「本稿第二稿」は大幅に異なる内容になっており、そしてこちらの方がより詩情豊かに「現実と過去の交錯」を描いている印象。
「なにかを話しながら、人形を手で歩かせる往人」「草原を風を受けて走り出し、そして目を閉じる観鈴」というラストシーンも、凡庸に過ぎる実際の作品のそれに比べてよほど上等、コレクターズ・エディションを買い、このシナリオによる映像をこそ観たかったなあと思った人は少なくないように思います。


関連リンク
  劇場版「AIR」公式サイト  http://www.air2004.com/
  TVアニメーション「AIR」公式サイト  http://www.bs-i.co.jp/anime/AIR/

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